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ピアノを弾くための運動能力。

気が付いたら前回の更新から半月も経っていました!

今日もこのブログへお越しいただき、本当にありがとうございます。

ブログを読んでくださる方がどんな方か。何に興味を持っている方か。

それによって書く内容は変わるのですが、このブログはピアノ教室を探している方向けに焦点を絞って書き続けようと思います。

時々ピアノから脱線しますが、それを読むと講師の私の性格や考え方が感じられるので参考になる・・と思って頂ければ幸いです。

 

今、生徒さんたちは、少し難しい曲を弾くために奮闘しています。

9月のミニコンサート用に私が少し難しい曲を弾かせているからです。

そんな事情もあって最近のレッスンではほぼほぼ、練習のコツを伝授すべく練習のお手伝いをしています。

「自分で何とか弾けるようにしてからレッスンに来る。」

これが出来るのは理想的で素晴らしいことです!!これができたら、もう超優秀です。

一方、先生と一緒に練習しながら弾けるようになってゆくことも有益です。

生徒さんがどれくらい苦労をしながら弾けるようになっていくのかを、私が目の当たりにすることが出来るからです。

千差万別とはこのことで、生徒さんが弾けるようになってゆく課程は人によってこんなにも違うのかと思い知らされます。

ピアノを弾くということは、運動能力と知的理解と感性の組み合わせで成り立っており、最終的には、頭で考えたり必死で頑張って弾こうとするのではなく、「最高に気持ちいい&最高に楽しい」という感覚に持って行くのが理想です。

私の考えでは、一部の天才的な人たちを除き、多くの人にとってピアノを弾くという技術は難しいものだと思っています。それはまず、「運動能力」という意味で難しいのです。

 

ここでは深入りしませんが、「読譜」は、運動能力ではありません。

ピアノの楽譜を読み解くのは、知的な能力です。暗号というか、シンボル化されている楽譜を、音という生きたエネルギーにイメージ変換していくのです。

 

さて、運動能力の話に戻ると、これは二つに分けてトレーニングします。

① 体の条件を整える→ ◎ストレッチにより筋を柔らかくする ◎筋力を増やす 

② 脳から筋肉への指令伝達の正確性と速度を上げる。→ ◎必要な動きを何度も練習をして脳に覚えこませる

 

②の神経系のトレーニングは、本人がいわゆるピアノの練習として意識しているところだと思います。

こんな感じで練習するのです。

「ここはダメだ、左手と右手を合わせられない!」

「うぅぅぅ、いっつもここで違う音を弾いちゃう、イライラするぅ」

「あーまた間違えた。むかつく、最初っから弾こう・・・あ、また同じところで間違えた、クソッ!」

「わかっているんだよ、わかっているんだけど、指が言うことを聞かないんだ!」

 

どれだけの回数を練習すると正確に速度を上げて弾けるようになるか。

ここに、それはもう、ものすごい個人差があります。

5回で弾ける人と、100回で弾ける人がいる。。。というくらいの差です。

コツは頑張らないこと、焦らないことです。

自分の脳を信じること。人間の脳はスーパーコンピューターですから!

「私」が覚えるのではなく、「体」が覚えるのだという気負わない感覚になることが大切です。

体の力を抜いて、自分の指先を遠く、約2,3メートル先にあるという感覚にするとよいです。

命令を下すのは脳で、遠隔操作で指を動かしている。

間違えたら、間違えた所の少し前から弾く。

何度も間違えている箇所を選びだすこと。そこをピックアップして、どんなにゆっくりでもいいから、正確に弾ける速度で弾く。

何度も何度も何度も、何度も何度も何度も、何度も何度も何度も・・・・

 

必ず、体が動きを覚えます。

まず、やっとゆっくり弾けるようになります。

そうしたら、ゆっくりを何度も繰り返します。

すると徐々に速度が上がってきます。

ある水準を超えるまで引き続けると何が起こるか。

おしゃべりしながらとか、他のことを考えていても自動的に弾けるようになります。

速度も神業的に上がります。

 

これが、練習です!

辛いかもしれません。

だから私も励ましながら、練習を一緒にがんばります。

徐々に弾けるようになっていく課程を生徒さん自身に体験してもらいます。

何度も何度も体験していくうちに、生徒さんは自分の力を信じられるようになると思います。

「最初は弾けなくても、練習すると必ず弾けるようになるんだ」

「弾けない弾けないって焦らなくてもいいんだ」

 

この練習方法があるから、私は練習が好きなのだと思います。

漠然と難しいと感じるのでは、自分の無力感に打ちひしがれてしまいますが、

「私の運動神経がうまく働かない箇所はココだ!」を焦点を絞るのです。

私が下手だからできないとか、才能がないからダメとか、そういう問題ではなくて、

「この運動はまだ体が獲得していないようだ」という理解をするのです。

私が悪いんじゃない。

私の脳のコンピューターがまだこの動きをダウンロードしていないみたい。

だから、今インストール中なの。

こんな感じで焦らず弾き続けるのです。

 

練習が十分に行われた末には、音楽の愛が私たちを包んで、美しく素晴らしい世界に招待してくれます。

こんなことを伝えられるといいなと思って、レッスンをしています。

 

みなさん、がんばりましょう!

 

立川市栄町 ピアノ教室ソラージュ