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ピアニストの手は魔法の手-2

こんにちは。今日もここへ来てくださり、ありがとうございます!

 

前回に続き、ピアノテクニックのマニアックな話題です。

 

前回は、10本の指を優秀な使い手として育てることがとっても大事です!というお話でした。

今日は、優秀な使い手となった10本の指には、どんな使命があるのか?というお話です。

 

ピアノ曲は楽器の中で一番音の数の多い楽器だと思います。なにせ、使い手の数が多いから。

10人の指さんたちが、本体(心とか脳とか)の指令に従って鍵盤を動かしてくれるわけです。

たった10秒の間に100個の音だって鳴らせてしまえるのがピアノです。

たくさんの音をかき鳴らすことの出来るピアノのですが、もし、たくさんの音たちをどれもフォルテ(大きな音で)で弾いたら、うるさくて大混乱のガチャガチャ騒ぎになってしまいます。

実はピアノの音のほとんどをピアノ(静かな目立たない音)で弾く必要があります。

音の数が多ければ多いほど、それらのほとんどをピアノ(小さく静かに)で弾き、ほんの一部のみ目立つ音(フォルテ)に仕立てます。

 

 

鍵盤が下に下がる深さは約1cmで、よく響く音で弾くときには、その1cmの距離を速く一瞬で下ろし、

静かな音にしたいときには、1cmの深さをすべて使わず、7,8mmで止めたり、スピードを落として下ろします。

 

厳密に言うと、霞のようにふわふわな音(ピアニッシモ)、静かにささやく音(ピアノ)、普通だけど静かめな音(メゾピアノ)、隣の人と話すくらいの声(メゾフォルテ)、10m先の人に届く声(フォルテ)、体育館で100人に聞こえるような声(フォルティシモで)、これらの中間にある大きさの全て!ですから、音量のコントロール幅は無限です。

 

また、同時に3つの音とか4つとか5つとか、両手合わせて8つの音とかを鳴らすのが、和音です。

和音は例えば3つの音a,b,cの組み合わせの場合、aをフォルテ、bをメゾピアノ、cをピアノで弾くみたいな細かいコントロールをします。

和音固有の味わいを出すために、同時に鳴らす複数の音それぞれの、鍵盤を下げる速度や距離を微妙に変えるのです。

 

一本ずつの指がそれぞれ独立して動いてくれるだけでも大変なのに、さらにその指たちに動きのパターンを何種類も持たせて、適宜必要に応じた対応をさせる。

これがピアノの練習です!もう大変、大変!!笑うしかありません。

 

書くと難しく聞こえますが、こんなことをいちいち考えて弾くのではなくて、耳で綺麗な音楽を求めているうちに、自然にこうなっていくので、結構楽しい訓練だと思っています。

 

でもやっぱり訓練の末に手に入れる能力は、すごい能力だと思っています。

 

そんなわけで、美しいピアノを演奏できるようになった指を、恐縮ですが、「魔法の手」と呼ばせてもらいました!

 

次回のブログには、さらにもう少し踏み込んだ「魔法の手」の話を書きたいと思います。

また懲りずに見に来てください!

 

立川市 ピアノ教室ソラージュ